「上勝」という会社のいろんな部署で働いています

八木 直子(45)
京都府出身 2018年移住。

 

ビールをきっかけに、山奥の町へ


もともとは京都の市街地で8年間、飲食店をやっていました。全国の地ビールを扱っていたなかで、上勝のクラフトビール「RISE & WIN」と出会ったのがこの町とのご縁のはじまりです。
特に田舎暮らしに憧れていたわけでも、ゼロ・ウェイストに関心があったわけでもなかったけれど、なんとなく気になって一度冬に旅行で訪れてみたんです。都会育ちの自分にとっては「こんな山奥で一晩過ごせるのか」と不安になるほどの非日常。でも、それが面白くて。もう一度、今度は移住を視野に入れて訪れたのが5月でした。
鶯の声に驚いたり、霧が山から湧いてくるのを見て「雲の中にいる!」と感動したり、ベタですがとにかく自然に圧倒されました。

 

茶摘みがこの町の「入口」だった


移住当初は特に仕事はしておらず気楽に過ごしていました。でもせっかく来たんだから何かしようと聞いて回って、たまたま見つけたのが上勝阿波晩茶の茶摘みバイトでした。最初は「あなた誰?」という雰囲気もあったけど、1週間、2週間と続けるうちにだんだん距離が縮まっていきました。
夏の上勝は茶摘みが共通言語。どこで摘んだとか、誰と一緒だったとか、そんな話題で自然と会話が生まれます。茶摘みを通じて地域の人との関係ができて、気づけば自分も輪の中に入っていました。
住んでいた傍示地区では、秋祭りの舞台で歌を頼まれたり、誘われたことにはすべて参加。芸もないけど呼ばれたら出るスタイルです。
そんなふうに自分から動けば地域の人たちがちゃんと応えてくれるんです。役場の移住担当の方にもたくさん支えてもらいました。

 

これが私の働き方


今の働き方はいわゆる会社勤めではなく、複数の仕事を組み合わせたスタイル。いっきゅう茶屋(産直市)、ゴミステーション、ボランティアタクシーなどに加えて、夏は町内の農家さんの茶摘みに出ています。
始めはお手伝いだった晩茶は、少しずつ自分の活動になっていきました。いろんな農家さんから仕入れたお茶をニックネームにちなんで「しのぶちゃんの晩茶屋」という屋号でイベント出店したり、お茶会で紹介したりしています。農家さんごとの味の違いを楽しんでもらったり、お茶を入口に上勝の暮らしや文化の話をする場にもなっています。
活動を始めたきっかけは2つあって、ひとつは自分自身が茶摘みを通じて上勝に入り込めたこと。もうひとつは、「上勝阿波晩茶祭り」という農家さんとお客さんが直接出会える素敵なイベントが人手不足で開催できなかった年があったこと。それが悔しくて「じゃあ私が、規模は小さくてもそれに近いことをやる!」と農家さんのお茶を集めて出店したのが始まりでした。
一度きりのつもりが、出店のお誘いが来るようになり、今も色々な場所で活動しています。農家さんとお客さん、どちらの声も聞けて、それをそれぞれに届けられるのがとても楽しいしやりがいがあります。いっきゅう茶屋の仕事も、生産者さんとお客さんのあいだに立つ役割なので、自分に一番合っているバイトだと感じています。

 

晩茶と私のこれから


晩茶について、これからやりたいというよりも「避けては通れない」と思うことがあります。高齢化や後継者不足の影響でこれまで通りにお茶づくりを続けられなくなる農家さんも増えています。どうすれば無理なく、できる形で続けていけるのか知恵を出し合っていきたい。無理やり続けるのは違うけれど、自分にできることがある限り長く続けたい。
上勝にこんなに素敵なお茶の文化が根付いているのが本当にいいなと思っています。飲み物としてだけでなく、茶摘みがコミュニケーションの場になっていたり、お手伝いし合う関係があったり、まさに生活と文化の一部として息づいている。
私自身、「自分の家のお茶をつくる」ことが憧れであり夢です。それが叶えられる日を密かに楽しみにしています。

もうすぐ移住して7年になります。上勝の暮らしで気に入っているのは「嫌じゃない」こと。
気合いを入れて来る必要なんてないし特別な希望や目標がなくても来てみたらきっと何かに出会える、そんな町だと思います。

おすすめの記事
私の休日~昔の暮らし体験~
移住情報
にほんの里100選に選定された八重地集落にある『茅葺き民家・花野邸』 ここでは、茅葺き屋根の修復作業を行うために「かみかつ茅葺き予備校」を開...
鮎の放流が行われました!
ニュース
こんにちは!ちはるです!桜満開の時期も早すぎ、田んぼに水が張られてカエルの声も聞こえるようになってきました🐸気温は朝晩はまだ...
上勝で藍染体験!vol.2🍂
ニュース
こんにちは!ちはるです。 以前、こちらの記事で上勝で藍染体験をしたことを書かせてもらったんですが、...